一日二食

オーケストラホルンというコンビでフリー芸人をやっています。その日起きたことやふと思ったこと、ライブの告知を主に書いていきます。

暗すぎ注意報

すっきりソングの本田さんが芸人を辞め失踪するということがライブシーンで話題になった。

個人的に全く面識もなかったけれど、ネタを生で拝見させてもらったこともあるし賞レースで勝ち上がっているコンビなのでこの知らせを聞いて衝撃を受けたが、心のどこかでなんだか他人事に思えない気持ちもあった。

本田さんが辞めた理由としては、情熱が無くなったためとTwitterで報告していた。実際にはもっと色んな要素が複雑に絡んだ結果情熱を失ったという意味なのだろうけれど、情熱や意欲を失うということは芸人が辞めるための最強の理由だ。

 

創作活動やら舞台活動はそもそも、好きでやっててもしんどくなる時があるのになぜそれを続けるかと言ったら、それをやっていて楽しいという情熱以外にあり得ないと思う。そもそも収入が安定しないうえに、保障もなにもない芸人をやるという行為は情熱なしでは成り立たない。やりたくもないネタを0からひねり出そうとする行為はあまりにも苦痛すぎるし、その何とかひねり出したものを舞台でいやいややるという生活をしていたら、1か月で心が死ぬ自信がある。

もうすでに売れていて、ここで辞めると収入源がなくなるから辞めることができないといった神のようなパターンもあるかもしれないが、今のところの自分が考える事ができるのは売れてない芸人のパターンだけだ。

 

基本的に売れない芸人としての努力は情熱無しには成りたたないのだが、これは逆に情熱を失わない限り芸人を辞めることができないということでもある。

当然芸人なんて辞めようと思えばいつでも辞められる。所属もしていないフリー芸人はライブに出なければただのフリーターだし、事務所に所属をしていてもだいたいはメール1本で辞めることができる。だが、多くの芸人がもうダメなんじゃないかと思いながらも芸人を続けてしまうのは、情熱が少しでも残っているからだと思う。

今現在、自分は好きでお笑いをやっているから、辞めようという気持ちは起きないが、なぜここで辞めないのかというと、ここで諦めたら後々後悔してまたお笑いをやりたくなってしまうからだ。辞めた後にちょっと知っている同期や先輩後輩がテレビに出始めたら、バラエティを見ることができなくなると思う。一生そんな思いを引きずったまま生きていきたくはない。

やはり、心のどこかで自分はやれると信じているからお笑いをやっているわけであって、まだ自分はやれるといった気持ちを少しでも残したままお笑いを辞めたら、そのまだやれるという気持ちに一生付きまとわれる。しかも、若い一番いい時期を投資して芸人をしてしまったため、ここまでやったというのにという気持ちで踏ん切りがつかなくなるのもあるだろう。

傍から見たらもう厳しいんじゃないかと思われる芸人がずるずる芸人を続けてしまうのは、情熱がまだ残っているか、情熱が無くなるのを待っているからなのかもしれない。

 

そういった意味で完全に芸人を諦めることができ、情熱から解き放たれた人は全く負けではない。辞める決断が早い奴ほど幸せになるとよく言われるが、本当にそのとおりだ。芸人で前を向いて情熱をエンジンに突き進んでいくか、情熱にとりつかれて後ろを向いてフラフラするかは自分次第だが、自分が今どちらの状態にいるのかということは自分ではなかなか気づけない。