一日二食

オーケストラホルンというコンビでフリー芸人をやっています。その日起きたことやふと思ったこと、ライブの告知を主に書いていきます。

ちなみに高校の友達はほぼ来なかった。

大学の先輩であるアメリカンコミックスさんの単独ライブを見学に行って来た。直接被っていたわけではなかったけど、アメリカンコミックスの飯島さんは大学時代に所属していたお笑いサークルの先輩で、サンミュージックに所属してから初の単独ライブということで取り置きをしてもらって見学させていただいた。

 

会場が渋谷ユーロライブというお笑いとしてはかなり大きい劇場で、後輩ながら正直集客が大変なのではと心配をしていた。普段よく使う劇場の下北沢シアターミネルヴァが40席ほどで、それでも集客に苦労するのにユーロライブはその4倍以上の178席。しかも単独ライブということは出演は1組。不安にならないわけがない。

 

しかしそれは杞憂に終わった。蓋を開けてみればユーロライブがさまざまな層のお客さんでいっぱいで、お客さんの誘導で開演時間が押すほどの大盛況。出る側ももちろん最高だと思うけど、観る側としてもなんだか嬉しくなった。そんな最高の環境の中単独ライブが始まった。

 

ネタの本筋については今後色々なライブでも披露するだろうからここでは書かないけれど、映像を挟みながら頭から終わりまで全てコントで統一された単独ライブだった。アメリカンコミックスさんは普段コントも漫才もされていて、単独も半々くらいでやるのかなと思っていたが、オールコントの構成。しかし、それぞれのコントの切り口や展開のさせ方が多様で、コンビとしての引き出しの多さに驚かされた。そのコンビの頭の中を覗けるといった点で単独ライブを観に行くのが好きなのだけれど、その中でもアメリカンコミックスさんの単独は非常に見応えがあって、いくらでも見ていられる最高のライブだった。後輩がなに偉そうにゆうてんねんな感想かもしれないけど、飯島さんとなんの関係もないお笑いをやっていない時間軸の自分が見たとしても、同じ気持ちになったと思う。それくらい最高の単独でした。

 

昔事務所に所属していた時に、自分も単独ライブをやらせてもらったことがあったのだけれど、単独というものは本当に心をすり減らされる。誰かにやれと言われてやった訳でなく、自分でやりたいといって決めた単独ライブであったけど、単独ライブの日程が決まった瞬間に焦りが始まり、単独が終わるまでずっと頭の中に取り憑かれたような感覚に陥る。

 

単独を見たことはあるけど、自分でやったことはないので何をして良いのかが分からない。まず何に手をつければ良いのか分からないし、普段3分ネタを作るのにも死ぬほど苦労してるのに、一組で90分どうやって時間を保たせるというのか。同期の作家を2人つけて動き始めたものの、基本的にネタ作りの責任は全て自分。当日までに90分のネタを作らないと当日来てもらったお客さんに土下座をすることになる。したところで何の解決にもならないけれど。

とにかく頭がおかしくなるくらいネタを作り続けた。ネタが思いつかなくなると、高い喫茶店に行って一番高いメニューを頼んで、こんだけ金を払ったんだから絶対にネタを仕上げなければとプレッシャーをかけ続けた。ピークの時は欲しくもないのにノートパソコンを購入して、パソコン買ったんだからネタを書かなければというわけのわからない境地に達していた。

 

そしてなんとかネタが出来上がったはいいものの、普通に考えて覚えきれない。単独の構成を決める時に、アドレナリンが出てる状況で30分漫才×3本にしましょうというトチ狂った提案をしたために、とんでもない量のセリフを頭に入れる羽目になった。普段3分ネタも飛ばさないか不安でやってるのに90分てアホか。

 

ネタはもちろん集客にも頭を悩まされた。

普段全く劇場で人気もないのに、140席ほどの劇場を埋めなければいけない。満席じゃなくても最低でも70は埋めろと言われたが、50%の入りじゃ全く盛り上がらない。少ない交友関係をフル活用して、声をかけさせていただいた。こんな売れてもない1年目の芸人のために、埼玉の大宮に電車賃を払ってチケット代を払って来てくれたお客さんは感謝してもしきれない。何回分の人生の徳を積んだ人ならそんなに優しくなれるんだ。

 

そんな色々なことに悩まされながら迎えた本番当日。集客に関しては、満席ではなかったものの沢山のお客さんや同期の芸人に来てもらい、大きな失敗もする事もなく無事単独ライブを成功させることができた。本番前まであれだけ不安だったのに、本番が始まると1ミリも緊張もせず、何があっても失敗する気がしない不思議な感覚。今まで漫才をした中で多分今のところあの時がベストな精神状況だったんじゃないかと思う。なによりめちゃくちゃ楽しかった。

 

エンディングでのアメリカンコミックスさんお二人を見て、その時を思い出してめちゃめちゃアドレナリンが出た。ライブ中ずっと楽しそうだったお二人を見て触発されない方が無理な話だ。

まだコンビとしての形もできていないから到底先になるだろうけど、自分もまた単独ライブをやりたいと強く思った最高の単独ライブでした。アメリカンコミックスさんお疲れ様でした。