一日二食

オーケストラホルンというコンビでフリー芸人をやっています。その日起きたことやふと思ったこと、ライブの告知を主に書いていきます。

大人は基本声を張らないのか

東京はネタ合わせの場所が本当に無い。

ネタをやるためには当然コンビ間で練習をする必要がある。熟練したコンビなら新ネタでも本番直前の稽古で充分なこともあるけど、組んだばかりのコンビだから新ネタ一本を仕上げるのにもめちゃめちゃ時間がかかる。そのため、ネタ合わせをサボるわけにはいかない。

 

だがいざネタ合わせをしようとなると、ネタ合わせをできる場所なんてそうそうない。

大の大人が漫才の練習をしてたらケンカだと思われて通報されかねないし、そもそも大人が声を張れるところがない。子供が大声で遊んでいてもなんとも思わないけど、大人が大声で何かをしていたら職質されるのが日本。基本的にネタの練習は何も知らない人から見たら間違いなく頭がおかしく見られるため、社会に見つからない場所が必要になる。

つい最近までは、お互いの家が近かったため、車で地域の公民館の会議室を借りて合わせてた。ここがもう極楽のなんの。田舎の公民館だから周りは静かだし、となりに自動販売機が置いてあって、音楽サークルの人も利用するため防音設備が完備。声を張っても迷惑にならない。ホワイトボードも置いてあって、冷暖房自由。その上場所代が激安だった。4時間借りて320円。イカレてる。

おそらくテレビ局の控え室に次ぐ快適レベルの中でネタ合わせをしていたのだけれど、福田が最近実家を出て一人暮らしを始めたため、地元のユートピアを去ることになった。

 

ネタ合わせの場所で芸人が利用するのはおそらく公園、カラオケ、家あたりだろう。

今日組んでから初めて公園で稽古をしてみたらクソ寒い。2月の夜の公園は地獄の寒さ。今年の大寒波をホームレスはどう乗り切ったんだよ。あの大雪の中を生き延びれたホームレスは大分ホームレス一本でやっていく自信が付いたんじゃないだろうか。

とにかく寒くて稽古どころじゃない。地元の公民館は暖房使い放題だったのに。

帰り際周りを見渡してみたら、カップルが俺らのネタ合わせの近くでディープキスしてた。公園でコントの練習してるやつの近くでよくディープキスできるな。お前らのが面白いよ。

去り際に声を合わせてセックスって言って走って逃げようぜってクソみたいな打ち合わせをして、せーのと言った瞬間に2人とも何も言わずに走り出した。お互いに片方だけにセックスと言わせようとしてた。お互いに裏切り者でチキン野郎だった。

 

公園は寒いからカラオケでネタ合わせをしようとなってカラオケ館に行ったら18時からの値段が高けぇ。30分毎に400円でワンドリンク注文、高すぎる。こちとら4時間320円ノードリンクの公民館で育ったんだぞ。30分毎に400円溶けていると考えると全くネタ合わせに集中できないのでは。逆に一分一秒を惜しんで練習するから練習効率がいい可能性もあるけど、とにかく高い。

 

じゃあそれなら福田の家で合わせようとなったが、あいつの家は家賃39,000円の安アパート。床はドライアイスみたいに冷え切っているし、なにより防音性が皆無。隣人の屁の音で目が覚めそうになるらしい。屁が響くアパートで声を張ったら入居二週間で追い出される。公民館は防音だったのに。

 

明らかに最初に見つけたネタ合わせ場所が良すぎて、ネタ合わせの場所に対しての感覚が御曹司のそれになってる。一度上げた生活水準を下げるのが難しい理論を、こんな所で体感することになるとは。

誰が新宿近郊で4時間320円で声張れるところがあったら教えてください。